[ #●●の体験 ]残業[ #川上奈々美 ]
- 2015⁄12⁄28(月)
- 07:22
「あ?もう、いい加減このコピー機買い換えてくれないかなあ…」また調子が悪くなった機械を前にがっくりきながら、内心つぶやいた。
時計は20時をまわりそうだ。今日は見たい番組もあるのにな…
課長が戻ってくる前に仕事を片付けたい。帰宅前に一度、課に顔を出すと
いってたし、そうなるとまたなんだかんだ言われて、帰りが遅くなる。「どしたの?」もう一人、デスクで残業をしていたS君が席を立って
声をかけてくれた。
「またおかしいのよ、コピー。もうボロなんだし、早く買ってよって感じ」
「ふ?ん、どれ」
エス君は私の脇にしゃがみこんで、コピー下部のカバーを外して中を覗き込んだ。
ちょこちょこっと何かいじっていたが、
「多分これでいいと思うよ。ちょっとやってみて」としゃがんだまま言った。スタートを押すと、滑らかに機械が動き出す。
...
時計は20時をまわりそうだ。今日は見たい番組もあるのにな…
課長が戻ってくる前に仕事を片付けたい。帰宅前に一度、課に顔を出すと
いってたし、そうなるとまたなんだかんだ言われて、帰りが遅くなる。「どしたの?」もう一人、デスクで残業をしていたS君が席を立って
声をかけてくれた。
「またおかしいのよ、コピー。もうボロなんだし、早く買ってよって感じ」
「ふ?ん、どれ」
エス君は私の脇にしゃがみこんで、コピー下部のカバーを外して中を覗き込んだ。
ちょこちょこっと何かいじっていたが、
「多分これでいいと思うよ。ちょっとやってみて」としゃがんだまま言った。スタートを押すと、滑らかに機械が動き出す。
...