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[ #未分類 ]Hだけどちょっとイイ話[ #坂口みほの ]

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大学に合格して入学式まで手持ち無沙汰で退屈していたある日のこと。自宅の郵便受けに一通の手紙が入っていた。封筒に差出人の住所氏名がない。捨ててやろうかとも思ったが宛名の字に何か見覚えがあった。部屋で開けてみると一番下に住所と「千紘」という名前。ふと思い出したのが高校時代2年3年と同じクラスだった女子だった。背はそんなに高くなかったが、わりとほっそりとしていてスタイルは悪くなかった。男と喋っているのは見たことがなかったが、女友達とはにぎやかに喋る、いわゆる普通の●●といった感じだった。俺は特に話をしたこともなかった。けっこう女子にモテていた当時の俺は、一つ年下の子と付き合いながら、同級生や他校の女生徒ともこっそり遊ぶという当時はやった「プレイボーイ」という言葉を地でいっていた。だから同級生だからといって自分が特に興味を覚えない限り口を利くこともなかったのだ。
10日ほどしてからまた「千紘」から手紙が来ていた。前のただの消息文みたいな手紙と違って、今度の手紙は少し分厚く、読めばどうやら俺のことが好きで俺に会いたいらしい。高校時代なら女に不自由してなかったので何とも思わなかったが、この2年ほどは風俗関係を除くとまともに付き合ったのは最近別れた年上の女くらいで、いわゆる「シロウトとのH」はその1人だけという情けなさだった。「千紘」がどこまで本気なのかどうか分からないが、この時はまあ一度会ってもいいかと思った。そこで俺は「千紘」に返事を出した。「じゃあ、一回会おうか?」という感じの軽い内容だったが、最後は待ち合せの日時と場所を書いて終わった。会う日まで卒業アルバムなんかを引っ張り出して「千紘」を探してみたり、どんな子だったか記憶を掘り起こしてみたりと、このときに限って俺にしてはけっこう純情路線を行っていたのだった。
待ち合せにはわざと少し遅れて行ってみた。どこにいるのか分からない!誰かを待っている女はたくさんいる。しかし、俺が頭の中に入れている「千紘」のイメージに合う女は見当たらなかった。まだ来ていないのか?それとも俺はハメられたのか?俺らしくもなくウロウロしていると後ろから誰かが肩を叩いた。
「A君、久しぶり!!」
振り向くと、ほっそりとした体つきのショートヘアーのいかにも女子大生っぽい女の子がニッコリ笑って立っていた。白っぽいジャケットに水色のブラウス、デニムの丈の短いスカートからスリムな脚が伸びている。膝下までブーツに覆。お洒落だな!美人ではないが少し薄めのメイクは全体のバランスが取れている。「千紘」ってこんな子だった?俺があまりジロジロ見ているので
「どうしたの?何か変!!」
「変って、どこが?」
「だって、さっきから立ったまま何も言わずにじぃっと見ているだけなんだもん」
「いや久しぶりだし、スゴくお洒落だから驚いて・・・」
「私ね、大学を一年でやめて今スタイリストの勉強してるんだ」
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